ポラリス (ミサイル)
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ポラリス (Polaris) は、冷戦期に米国が開発し、米海軍で運用された潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の名称である。制式番号はUGM-27。
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[編集] 概要
ポラリスは米国で最初に配備されたSLBMであり、核弾頭を搭載した戦略弾道ミサイルで、米海軍では艦隊弾道ミサイル(Fleet Ballistic Missile、FBM)と呼称していた。
当時のロッキード社によって固体燃料ミサイルとして開発されたポラリスは1960年1月7日にケープ・カナベラルで実施された発射テストに成功した。搭載された核弾頭は現在のローレンス・リバモア国立研究所で1957年からハロルド・ブラウンを長とする研究チームによって開発されたもので、1960年7月には最初の16発の弾頭が海軍に納入され、7月20日には初めて潜水艦からの発射テストが行われた。
ミサイルは全長12.3 m(40.5 ft)、翼間長2.6 m(8.5 ft)であり、核出力1 Mtの弾頭を4,000km投射する能力があった。ポラリスの最初のバージョンであるA1は、重量13 t(28,800 lb)、全高8.7 m(28.5 ft)、直径2.6 m(54 in)、射程1,000海里(Nautical Mile、1,852km)であった。
1960年7月20日の潜水艦からの発射テストは、潜航中のプラットフォームから行われた初のロケットエンジンによる発射テストだった。USSジョージ・ワシントン(SSBN-598)は16発のミサイルを搭載した最初の艦隊弾道ミサイル潜水艦(一般的には弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)と呼ばれる)であり、米海軍では1960年から1966年までに40隻のSSBNが進水している。1962年5月6日に、Dominic I作戦によってポラリスミサイルはW47実用核弾頭を搭載してテストされた。これは米国において初めて実際の核ミサイルを使用したテストとなった。
後期型のA-2、A-3、B-3は射程の延伸のためA-1に比べて大型化し、重量が増した。A-2は、射程1,500海里(2,300 km)、A-3は射程2,500海里(4,600 km)、およびB-3は射程2,000海里(3,700 km)だった。A-3は複数再突入弾頭(Multiple Re-entry Vehicle、MRV)化されており、B-3は旧ソ連の対弾道弾迎撃網に対抗するペネトレーション・エイドが搭載されていた。その後、B-3開発計画はポセイドンC-3へと発展した。
ポラリスミサイルは二段式ミサイルで、両段とも可動ノズルによって姿勢制御(Thrust Vectoring)を行う。誘導は慣性航法装置で行われ、命中精度はCEPにして900 m(3,000 ft)であった。このため、高い命中精度が必要な敵のミサイルサイロのような硬化目標に対する第一撃に用いるには不適当であり、ポラリスは第二撃(報復攻撃)兵器とされた。
ポラリスのポセイドンへの置き替えは1972年から始まり、1980年代にはポラリスとポセイドンはトライデントIに置き替えられた。
[編集] 英国のポラリス
英国でのポラリスの採用は、1950年代に英国で進められていたブルーストリーク中距離弾道ミサイル(IRBM)の開発計画と、米国で進められていた空中発射弾道ミサイル(ALBM)スカイボルトの開発計画が両方とも中止された事に端を発する。ブルーストリークが中止されたため、英国は自国の核運搬能力の一部を米国に求め、その結果スカイボルトが内定していたのである。スカイボルトの開発中止は英国の核運搬能力が著しく減少する事を意味していた。英国首相ハロルド・マクミランと米国大統領ジョン・F・ケネディは、1962年に行われたナッソー会議で会談し、米国がスカイボルトの代わりにポラリスを英国に供給する事(ナッソー協定)で合意した。米国がミサイル本体、発射管、火器管制装置を供給し、核弾頭とミサイルを搭載する潜水艦を英国が建造することとなった。米国からは英国のミサイルの使用に関して関して保障が与えられている。英米間のポラリス販売協定は1963年4月6日に署名された。
英国で建造されたポラリスミサイル搭載潜水艦はレゾリューション級として知られる。ポラリスシステムは、米国から購入したミサイル本体に英国で開発された核弾頭を搭載したポラリスA-3TKが使用されている。その後、レゾリューション級のポラリスシステムは英国で設計されたChevaline(シュバライン)と呼ばれる延命プログラムを受けた。Chevaline延命プログラムは核弾頭全体の数を減らす一方で、防御対策を賦与する事を可能にした。政治的な紛争の後に、結局はコストと必要性から英国のポラリスはトライデントにアップグレードされる事が決まるが、その実行はトライデントII(D-5)の完成を待つ事となった。
[編集] 要目
[編集] ポラリスA-1
ポラリスA-1(UGM-27A)は、重量28,800 lb(13.1 t)、全長28.5 ft(8.7 m)、直径54 in(1.37 m)、射程は約1,000海里(2,200 km)、CEPは1,800 mだった。第一段、第二段共にスチールのモーターケースを採用し、ポリウレタンと酸化剤の過塩素酸アンモニウムを混練し、アルミニウムを添加した固体ロケット燃料を使用していた。弾頭は核出力600 ktのW-47-Y1核弾頭を搭載したMk.1型再突入体(re-entry vehicle、RV)を一基備えた単弾頭ミサイルであった。
[編集] ポラリスA-2
ポラリスA-2(UGM-27B)は、重量32,500 lb(14.7 t)、全長31 ft(9.45 m)、直径54 in(1.37 m)、射程は約1,450海里(2,800 km))、CEPは1,200 mだった。第一段はスチールのモーターケースを採用し、ポリウレタン/過塩素酸アンモニウム系固体ロケット燃料を使用していた。第二段はガラス繊維強化プラスチックのモーターケースを採用し、ダブルベース系火薬のコンポジット推進剤を使用していた。弾頭は核出力800 ktのW-47-Y2核弾頭を搭載したMk.1型RVを一基備えた単弾頭ミサイルであった。
[編集] ポラリスA-3
ポラリスA-3(UGM-27C)は、重量35,700 lb(16.2 t)、全長31 ft(9.45 m)、直径54 in(1.37 m)、射程は約2,500海里(4,630 km))、CEPは900 mだった。第一段、第二段共にガラス繊維強化プラスチックのモーターケースを採用し、第一段の燃料はニトロ化されたポリウレタンを使用し、第二段はダブルベース系火薬のコンポジット推進剤を使用していた。弾頭は核出力200 ktのW-58核弾頭を搭載したMk.2型RVを三基備えた複数弾頭ミサイルであった。
[編集] 関連項目
- アメリカ合衆国のミサイル一覧
- Program Evaluation and Review Technique :ポラリス開発の際に考案されたプロジェクトマネジメントモデル
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